就業規則の基礎知識
 

古い就業規則は今の法律に合わない
年次有給休暇(年休)について
 └ 年次有給休暇とは?
 └ 年次有給休暇は1日単位
 └ 年次有給休暇はいつ与える?
 └ 権利と言えど配慮が必要
 └ 会社の思いを伝えるのが重要
 └ 事後請求は会社の判断が重要
 └ 当日朝に有給休暇を請求されたら:ケース@
 └ 当日朝に有給休暇を請求されたら:ケースA
情報保護対策について

 
古い就業規則は今の法律に合わない
 常時10人以上の社員がいる会社は就業規則の作成・届出義務があります。また、何年か前に就業規則を作成し、そのままにしていた場合は、内容が古く現行の労働基準法等に合わなくなっています。労働基準法も何回か改正が行われていますので、最低限、法律にあった内容に変更し、労働基準監督署に届出をしましょう。

 
 また、就業規則は「会社と社員」にかかわる基本的な約束ごとです。情報化の進展や守秘義務など、会社を取巻く環境は大きく変わってきています。服務規律など現状に合わせ「リスク対応型」の就業規則の作成・変更をしましょう。
 
就業規則が古くなっているかどうかの目安は…

 @ 賃金規定で休日労働の割増率が1.35以上になっていない。
 A 有給休暇が勤続年数6ケ月で10日、6年6ケ月で20日付与となっていない。
 B 週労働時間が40時間以内になっていない(特例事業所は44時間)
 C 定年年齢が60歳となっている。 

 D 育児・介護休業が規定されていない。 
 E 子の看護休暇や介護休暇が定められていない。等

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年次有給休暇(年休)について

年次有給休暇(年休)とは
 労働基準法 第39条では、「使用者は,採用の日から6か月間継続して勤務し、かつ全労働日の8割以上出勤した労働者に対しては,少なくとも10日の年次有給休暇を与えなければならない。」と定めています。

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年次有給休暇は1日単位
 現在、時間有給は法律では認められていません。休暇は連続して与えても、分割して与えても、どちらでも構いません。取得単位は原則1日ですが,半日単位でも可能とされています。(昭24.7.7基収1428号、昭63.3.14基発150号)。

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年次有給休暇はいつ与える?

 労基法では、使用者は労働者の請求する時季に与えなければなりません。ただし、請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては、他の時季にこれを与えることができる。と定めています。
 しかし、使用者の時季変更権は、使用者が代替要員を確保するなど、可能性のある措置を講じても影響がある場合などに限られるなど、使用者にとっては非常に不利な判例が多く出ていますので、労働者の請求する時季に与えなければならないのが実情です。

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権利と言えど配慮が必要

 確かに有給休暇の取得申し出は社員の権利です。しかし、権利であるからと我が物顔でむやみやたらに請求されては、会社も他の社員も困ってしまいます。
 大企業なら社員も多く、他の社員で仕事のカバーも比較的容易かも知れませんが、中小企業は少人数の社員でやりくりしても忙しいのが現実。誰かが有給休暇を取得することによって、仕事のシワ寄せは残った社員にきます。時には1人の身勝手な行動が他の社員にも影響し、強いては会社全体のチームワークにも影響してきます。
 チームワークが上手くいっている会社は、社員の定着率が上がり、業績も上がります。社員同士がお互いの配慮や思いやりをもって仕事をしているかどうか、会社としても目を配らせる必要がありますし、時には社員に対して、チームワークの大切さや他人への配慮について、納得してもらえるような説明が必要でしょう。
 会社は、無鉄砲な有給休暇の請求に顔を歪めるだけではなく、日ごろから社員同士のコミュニケーションが図りやすい職場作りや、社員教育をしておきましょう。

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会社の思いを伝えるのが重要
 会社としては、労働者に就業規則を見せるだけではなく、会社の思いを社員に伝え、理解してもらう必要があります。年次有給休暇は直前になってからの請求や、何日も連続した日を請求されると困ってしまう場合があります。就業規則の条文には、原則として何日までに請求しなければいけないか、明示しておきましょう。

 例として就業規則の条文(変更前)と会社の思いを文章化したもの(変更後)を以下に記しましたので、見比べてみてください。
 
例:第〇条(変更前)
 社員は年次有給休暇を取得しようとするときは、原則として休暇日の5日前までに請求するものとする。ただし会社は、事業の正常な運営を妨げると判断したときは、社員の指定した時季を変更することがある。
 
例:第〇条(変更後)
 年次有給休暇を取得するときは、5日前に申し出ることで取得することができますが、職場の同僚やお客様に迷惑がかからないよう、最低でも1週間前には申し出、又、連続する休みのときは、1ケ月前に申し出て、同僚へ配慮することが大切です。社会人として、自分に与えられている責任、お客様、同僚への責任をしっかり果たさなければなりません。

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事後請求は会社の判断が重要
 遅刻をした時や病気でやむを得ず欠勤した場合、事後の請求でも全て有給休暇に振替えにしていたというケースはないでしょうか? 中には当事者からの請求が無い、事務担当者の判断で処理されていると言ったケースさえあります。

 事後の請求は、会社が有給休暇と認める義務はありません。安易に認めると社員が甘えモラルの低下につながる場合があります。就業規則の条文には、以下のような規定を盛り込み、社員意識を喚起しましょう。
 
例:第〇条
 病気や急な事情により欠勤したとき、前もって休暇を請求することが出来なかった場合は、職場の同僚やお客様に迷惑がかからないよう、連絡できる時点で早めに申し出るようにしてください。理由によっては欠勤日を年次有給休暇に振替えることがあります。

 ただしこれはあくまでも会社が理由や事情を確認の上判断するものであるため、必ず有給休暇と認められるものではありません。社会人として過度の甘えのないよう行動しましょう。

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当日朝に有給休暇を請求されたら:ケース@

 大口受注先への製品納入直前時期で、臨時労働者を数名雇用しなければならない状況の中、その日の朝になって社員から有給休暇を取得したい旨の連絡があった。就業規則では、「有給休暇の承認は前日までに所属長に申し出ること」と定めているので、前日までの申出がないことを理由に有給休暇の取得を拒否し、出勤するよう本人に伝えた。
 
対応について
 有給休暇は社員から有給休暇の時期の指定があった時点で成立します。つまり会社の承認がなくても有効に成立し、例え就業規則において承認が必要という定めをしていても、会社が前日までに承認を与えていないことを理由に有給休暇の取得を拒否することはできません。

 ただし、明らかな業務の繁忙時など「業務の正常な運営を妨げる場合」にまで無制限に有給休暇を認める必要はなく、例えば社員の休暇に対して会社が対応策を講じる時間的余裕が全くないか、又は著しく困難であるような事情があれば、会社は有給休暇の取得をその日ではなく他の日に変更してもらう(時季変更権)ことも可能です。
 また、その申出を拒否しても差し支えないものと思われます。(ただ、「業務の正常な運営を妨げる場合」は限定的に解釈する必要があります)

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当日朝に有給休暇を請求されたら:ケースA
  ケース@において、業務繁忙を理由に時季変更権を行使し出勤を命じたが、本人は出社しなかったので無断欠勤扱いにした。


対応について
 無断欠勤とは、主に社員が「何の連絡もなく出勤しない場合」や広い意味では「会社の承認がないまま欠勤する場合」を指します。社員から有給休暇取得の連絡があった時点で、その申出の中に「本日欠勤する」旨の連絡が当然に含まれていると考えられるため、安易に無断欠勤と判断するのは難しいようです。
 しかし上記のケースのように明らかな業務繁忙があり、会社が時季変更権を行使して出勤を命じたにも関わらず、社員が出勤できる状況でありながらそれを拒否して欠勤したような場合には、「会社の承認がないまま欠勤した」とみて無断欠勤にする余地もあります。
 有給休暇は社員の権利であり、会社は社員の権利の行使に対して妨げのないようにしなければなりませんが、業務との調整もあり会社として無制限に認めることは難しいのが現状です。社員も会社も、お互いの状況を考慮したうえで有給休暇の取得を考えていきたいものです。

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情報保護対策
 企業内には顧客情報や雇用管理情報、財務・技術・営業情報など数多くの秘密情報があります。皆さんはどのように管理していますか。

 
情報漏えいの原因

 @ 内部から:社員、パート、バイトからの漏えい。資料の紛失による漏えい。
 A 情報セキュリティ等から:パソコンの設定ミスやバグによる漏えい。

 B 外部者からの攻撃:パソコンへの不正侵入・アクセス。盗難、車上あらし。
 
 この内、内部からの漏えいが約70%と言われています。つまり内部体制を整備することで数多くの漏えい事件を防止することが出来るのです。

 トラブル防止のためには、就業規則の服務規律で明確に規定したり、守秘義務に関する誓約書を社員からとったり、教育・訓練を今まで以上に実施したり、内部体制を見直しすると良いでしょう。

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